コンデンサの役割
コンデンサは電気を蓄えたり(充電)、放出(放電)する役割があります。
充電・・・コンデンサに蓄えられている電圧より大きい電圧が加わると、コンデンサは電気を蓄えます。
放電・・・コンデンサに蓄えられている電圧より小さい電圧がかかっている間は、コンデンサは電気を放出します。
充電、放電の役割がある為、電源を安定させる用途で使用されたりします。
基本的に直流の電気を流さない性質を持つため、ノイズを除去することが出来ます。
その他に、周波数の高い交流電流ほど通しやすい性質があります。
電気を蓄えられる容量を静電容量と言い、単位はファラド[F]で表されます。
静電容量が大きい程、多くの電気を蓄えることができます。
コンデンサの静電容量の確認方法
コンデンサの表示の見方
コンデンサの静電容量は、コンデンサに表記されている数字で確認する事が出来ます。
左から1つ目、2つ目の数字は2桁の有効数字を表し、単位は[pF]です。
左から3つ目の数字がある場合は、有効数字に乗じる10のべき数を表しています。
例2の場合は左から3桁目の数字が4の為、10を4回掛けます。
その為、例2のコンデンサの静電容量は、47 × 10 × 10 × 10 × 10 = 470000[pF]になります。
単位をμFに変換する(-10の6乗)と、0.47[μF]になります。
静電容量の他にも、静電容量の許容差、定格電圧が表記されています。
電解コンデンサには、動作温度が表記されていたりします。(表記されている温度を超えないように使用します。)
許容差の表記の見方
アルファベットの意味を表に記載します。
アルファベット | 許容差 |
---|---|
B | ±0.1[pF] |
C | ±0.25[pF] |
D | ±0.5[pF] |
E | ±2.0[pF] |
F (10pF以下の場合) | ±1.0[pF] |
F | ±1[%] |
G | ±2[%] |
H | ±3[%] |
J | ±5[%] |
K | ±10[%] |
M | ±20[%] |
N | ±30[%] |
P | 0~+100[%] |
Q | -10~+50[%] |
S | -20~+50[%] |
T | -10~+50[%] |
Z | -20[%]~+80[%] |
コンデンサの種類
コンデンサには静電容量が一定の固定コンデンサと、静電容量を変えることが出来る可変コンデンサがあります。
コンデンサの種類の一例を記載します。
固定コンデンサ
・フィルムコンデンサ
プラスチックフィルムが使われているコンデンサ。
特徴:温度による静電容量の変化が少なく、精度が良い。
オーディオ回路などに使用されている。
・セラミックコンデンサ
誘電率の高いセラミックが使われているコンデンサ。
特徴:小型で熱に強い。
比較的静電容量が小さい。
通信機器などに使用されている。
・電解コンデンサ
アルミニウムなどの金属と電解質が使われているコンデンサ。
特徴:静電容量が大きい。
極性があるため、取り付ける向きに注意が必要。
直流電圧またはプラス側のみで変動する電圧でのみ
使用することができる。
電源回路などに使用されている。
可変コンデンサ
・トリマコンデンサ
回路の微調整を行うために使用されるコンデンサ。
特徴:ドライバを使用して、静電容量を調整することが出来る。
無線回路などに使用される。
コンデンサの合成静電容量の求め方
合成静電容量とは・・・複数のコンデンサを使用している回路全体の静電容量のこと。
直列接続
コンデンサを直接接続する場合の、合成静電容量は以下の公式で求めることができます。
例1:10μFと30μFのコンデンサを直列に接続した場合の、合成静電容量は下図の通りになります。
並列接続
コンデンサを並列接続する場合の、合成静電容量は以下の公式で求めることができます。
例2:10μFと30μFのコンデンサを並列に接続した場合の、合成静電容量は下図の通りになります。
各コンデンサに加わる電圧の求め方
合成静電容量が分かると、各コンデンサに加わる電圧を求めることができます。
まず最初に、回路の全電荷を求めます。電荷の単位はクーロン[C]です。
電荷とは、粒子や物体が帯びている電気の量のことです。
電荷は以下の公式で求めることができます。
全電荷を求めたら、全電荷の公式を変形させることで各コンデンサに加わる電圧が分かります。
例3:20μFと30μFのコンデンサが直列に接続されている回路に、9Vの電圧が加わる場合、
各コンデンサに加わる電圧は、下図の通りになります。