テスターの使い方

測定器

テスターの役割

テスターは、回路の点検を行うときに使用する測定器です。
電圧(直流、交流)、電流(直流)、抵抗を測定することができます。

テスターの各部名称・説明

テスターの各部名称説明

①目盛板
 各測定レンジに合わせた、メモリが表記されています。
 各レンジでの測定値の読み方は、使用するテスターの説明書を確認して使用してください。

目盛板の一例:

テスターの目盛の見方

抵抗を測定時は、レンジ切り替えつまみに記載されている倍数を掛けて目盛を読みます。
(例:Ω×10のレンジで測定する場合は、指示されている目盛板の数字に10を掛けて読む。)

電圧、電流を測定時は、レンジ切り替えつまみに記載されている数字に合わせて目盛を読みます。
(例: DC600Vの場合は、目盛板に記載されている60の列で目盛を読み、10を掛けて読む。
   AC300Vの場合は、目盛板に記載されている300の列で目盛をそのまま読みます。)

②メーター0位調整器
 メーターの針を0(写真のテスターでは左端)に合わせる時に使用します。

③0Ω調整つまみ
 Ω測定前に、メーターの針を0(写真のテスターでは右端)に合わせる時に使用します。

④レンジ切り替えつまみ
 レンジ切り替えつまみを回して、測定したい項目のレンジに切り替えます。

⑤テストリード
 測定したい端子2か所に、それぞれテストリードをあて測定を行います。
 (写真のテスターでは赤が+、黒が-の端子に使用します。)

テスターの使い方

メーターの0位調整

測定を行う前に、針が目盛の0の位置に合っているか確認します。
0目盛の位置からズレていると測定が正しく出来ないため、0目盛の位置に調整します。

テスターの0位調整
測定時のポイント

①測定レンジを決める時は、読み取り精度を上げる為なるべく最大目盛に近い目盛で読めるレンジにします。測定値が分からない場合は、各測定項目の最大レンジで測定を行い、レンジが大きい場合は、少しづつレンジを下げて最適なレンジに設定します。

②テストピンを測定物にあてる場合は、極性が逆にならないように注意します。(極性が逆の状態で測定を行うと、メータが逆振れ(左側に振れる)します。

直流、交流電圧(DCV、ACV)の測定方法

①レンジ切り替えつまみを測定したいレンジに合わせます。
②測定物のプラス側に赤のテストピンを、マイナス側に黒のテストピンをあてます。(回路に並列に接続します)
③メータの振れを目盛で読み取ります。

テスターでの直流交流電圧の測定方法
直流電流(DCA)の測定方法

①レンジ切り替えつまみを測定したいDCAレンジに合わせます。
②測定したい回路の電源を切り、プラス側に赤のテストピンを、マイナス側に黒のテストピンを接続します。(回路に直列に接続します)
③測定したい回路の電源を入れ、メータの振れを目盛で読み取ります。

テスターでの直流電流の測定方法
抵抗(Ω)の測定方法

①レンジ切り替えつまみを目盛中央で読める範囲のレンジに合わせます。
②両方のテストピンをショートさせ、0Ω調整を行います。

0Ω調整とは

抵抗測定を行う前にテストピンをショートさせ、0Ω調整つまみを回してΩ目盛の0側に合うようにメーター針を調整することです。レンジを切り替えた度に、0Ω調整を行います。

テスターの0Ω調整

③測定物にテストピンをあて、メーターの振れを読み取ります。

テスターでの抵抗値測定方法

テスターには抵抗のレンジを使用して測定をする場合は、
黒のテストピンが+、赤のテストピンが-になるものがあります。

ダイオードの動作チェック方法

抵抗の測定時と同じ手順でダイオードの動作チェックを行うことが出来ます。
(下図の場合は右側にプラス、左側に-のテストピンをあてます。)

テスターでのダイオード動作チェック方法
トランジスタの動作チェック方法

Ωレンジを使用することで、トランジスタの動作チェックを行うことができます。
トランジスタには、NPN型、PNP型の2種類があります。
0Ω調整を行った後、下図の様に2か所にテストピンをあて、確認を行います。

テスターでのトランジスタの動作チェック方法

(良品の判定)
NPN型の場合
図の方向でテストピンをあてた場合は、メーターの針が振れます。
図とは逆方向(+,-が逆)にテストピンをあてた場合は、メータの針は振れません。
(B-C,B-E間両方ともチェックを行います。)

PNP型の場合
図の方向でテストピンをあてた場合は、メーターのは振れません。
図とは逆方向(+,-が逆)にテストピンをあてた場合は、メータの針が振れます。
(B-C,B-E間両方ともチェックを行います。)

コンデンサの動作チェック方法

コンデンサにテストピンをあてると、メーターの針が少し右に振れ、その後左側に戻ります。(容量の小さいコンデンサは、針の振れ幅が小さくなります。)

極性があるコンデンサの確認を行う場合は、テストピンの向きを間違わないように
注意します。
コンデンサのチェックを行うときは、コンデンサを一度放電(コンデンサの端子をショートさせる)させてから行います。

テスターでのコンデンサーの動作チェック方法

テスターは、デジタルとアナログがありますが個人的には直感的に見ることが出来るアナログがおすすめです。

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